書評 book review 2005 5 3
書名 「人口ピラミッドがひっくり返るとき 高齢化社会の経済新ルール」
著者 ポール・ウォーレス
翻訳 高橋健次
出版社 相思社
低迷する個人消費、低迷する株価、低迷する地価。
こうしたものは、バブル経済の崩壊が原因で、傷口さえ治れば、
(つまり、過剰な設備、過剰な債務、過剰な雇用が改善されれば)、
日本経済も、元に戻ると考えていませんか。
しかし、三つの過剰と言われた「設備、債務、雇用」が改善しても、
日本経済は、さえない状態が続いています。
バブル経済の崩壊という「外傷」に目を奪われていますが、
もっと根本的な問題が潜んでいませんか。
それは、「人口ピラミッドがひっくり返る時」です。
日本経済も、日本の社会制度も、人口構造がピラミッド型であることを前提として、
成り立っているはずです。
そのピラミッドが、ひっくり返る時、どうなるか。
この本は、日本の将来を、少し悲観的に考えていると思います。
しかし、たとえ人口が減少しても、
一人一人の教育水準や知的水準が上がれば、人口減少分を補えると思います。
そういうわけで、娯楽やファッション、グルメに夢中になっている場合ではありません。